後期研修医からのメッセージ
新潟労災病院 消化器内科研修 2011年4月~2012年3月
後期臨床研修医 野村 亮介

学生時代~初期研修の間
学生時代に「おもしろそう」これが最初に上部内視鏡を見たときの感想でした。学生実習、初期研修でよく見る機会はあり、消化器内科を専攻するきっかけとなりました。
検査中も何かあるというのはわかるのですが、実際何かということを教えてもらえず、治療手技のノウハウも教えて頂ける機会が少なかったと思います。ただ見ているだけでしたし、聞こうにもスタッフは忙しそうですし。教科書を探しても、自分が見たものと教科書で今見ているものが一緒なのかもわからない。とにかくおもしろそうだけど、わからない。初期研修では他科の研修もあり、内視鏡室に行くことは日々の生活の中でなかなか作ることは出来ずに、2年間が終わってしまいました。
新潟労災病院にくるまで
医師3年目となり、いざ内視鏡を持ってみると、やっぱりわからない。「?」の連続でした。なんとなく上部の検査ができるようになった頃に、やらせてもらえるようになったのが大腸内視鏡検査です。これは、想像以上に「?」の連続でした。先輩消化器内科医師との技術力の差を埋めることができない日々が続き、一人前の消化器内科医になることができるのか悩んでいました。そんな時に、DDW2010で新潟労災病院消化器内科の先生方(前川先生、安先生)と話す機会がありました。そこでは、自分の手技向上など1人前の消化器内科医師になるためのステップになりうる病院と考え、後期研修の最後となる医師5年目から新潟労災病院消化器内科でお世話になることに決めました。
新潟労災病院消化器内科での後期研修
1. 検査・治療(おもに手技に関して)

「検査件数の多さ」と「スピード感」に驚きました。件数に関しては上部内視鏡は10-20件/日くらいです。大半の人には経鼻を使って、状況によって経口も使っています。検査所見をパソコンに入力すれば、もう検査台の上には患者さんが横になっているという感じです。こんな感じで月、木、金と検査をやっています。緊急内視鏡は大体が先発でやらせてもらえます(内視鏡技師さんが声を掛けてくれます)。
問題の下部内視鏡ですが、件数としては1日あたり10数件で、そのうち4.5件/日を私がさせてもらっています。(ほぼ毎日できます)。内視鏡室の技師さん・看護師さんも協力的です。他施設と比べても実際にできる件数は多いと思いますし、その中では深部大腸まで挿入できない事もあるので、その時には指導医のサポートはもちろんあります。またその場で教えて貰えるので、ただ「入らない」→「交替」→「何となくオシマイ」って事は無く、再現性のある検査ができます。EMRも指導医の下でドンドン出来ますし、技師さん、看護師さんは件数を見てきているので心強い味方になります。
ERCPに関しても、総胆管結石、胆管腫瘍等の症例を担当でき、多くの経験が出来ます。ERCPは、必ず指導医の先生に、検査の最初から最後まで指導してもらえますし、私がカニュレーションできずに交替した時も、その後の処置(結石除去、ステント留置など)は再度スコープを渡してもらえるので、非常にERCP手技の修練になります。加えて、今までほとんど経験することがなかったPTGBD、腹部血管造影、肝生検なども新潟労災に来てから経験することが出来ています。まだ、私は見学の身ですが、ESDなどの最先端の医療も教えて頂いています。
特に、内視鏡室のマネージメント力は高く、AMは上部でPMは下部っていう決まり事はないので、上部の検査が早く終わった時には、午前中から数件の下部が始まります。繰り返しになってしまいますが、マネージメント力があるので検査の合間を見て処置(ERCP、PTCD、ERGBD等)が始まります。見る機会、助手に入る機会は多いですし、それ以上に実際にできる機会はもっと多いです。それにスコープ、エコーの用意などが、そろった状態で連絡が来ます。CFの最中に用意をしてくれているんです。GF、CFが終わってその足で処置に移れる速さ、手技の速さは驚きますよ。頭から詰め込められるのでは無く、ある程度のところまで手を動かす事ができるので、他には無い成長できる環境です。



2. 病棟、外来
病棟の朝は8時15分スタートです。回診から始まります。主治医制では無く、チーム制(もちろん週末も)をとっているので情報が共有することが出来ますし、その場で相談・報告してその後の方針に活かしています。看護師さんも回診について状況を教えてくれます。MSWの方も積極的に介入してくれ、連携が取れているので自分で退院、転院の調整をする事はないというのも僕にはうれしいことの一つです。また腹部血管造影(自分たちでやってます)、肝生検、ERCP、ESD等のいろんなクリニカルパスがあり、円滑に事が運ぶようになっています。処置とは別に他にはない特徴としてダイエット入院があります。肥満症の方にダイエットの教育入院をやるんです。いろんなメディアに取り上げてもらって、入院された方には好評をもらっています。近隣だけではなく、県外からも来る人もいるくらいです。治療の前の予防の重要性を改めて実感しています。
いろいろと書いてきましたが何事にもスピード感があるのでメリハリがつきますし、同じ時間でも効率良くこなせて、中身は濃いと思いますよ。チーム制を取っているので時間のバランス(週末の予定も立てやすい)を取ることができます。なので、空いた時間は自分の時間に当てています。病院の外は、海も山も近いので釣り、マリンスポーツ、ウインタースポーツなど四季を通じて自然を生かしたいろんな事ができます。もちろん食事もおいしいです。また首都圏へのアクセスもいいので(東京まで最短2時間程度)、週末の研究会にも参加でき、もちろん週末の遠出も出来ます(要は週末の時間の使い方は個人の考え方次第って事です)。
待遇に関しては、後期研修医であるにもかかわらず、嘱託職員ではなく、正規職員として扱われます。給与は、もちろん具体的な数字は出すことはできませんが、同期と比べるとかなり恵まれています(年2回の賞与もきちんとあります)。仕事だけではなく、生活面からも充実した時間が過ごせます(詳細は見学に来て頂ければ、お話します)。
大体こんな感じです。消化器内科医師としてはまだまだ未熟ですが、上達している自分を感じる場面は増えてきており、この病院にきて良かったなと日々実感しています。
『消化器内科の一般手技を身につけたいけど機会に恵まれない!』
とお悩みの方は、ぜひ一度話を聞きに見学に来てみてはどうでしょうか。お待ちしています。なお、交通費などの心配は全く不要です。
お問い合わせ先
TEL 025-543-3123/FAX 025-544-5210/E-mail naishikyo@niigatah.johas.go.jp