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薬剤師外来について


薬剤師  植木 奈津美

当院では2017年4月より薬剤師外来を開設し、薬剤師が外来で手術の前に休薬が必要な薬剤を内服してないか確認しています。休薬が必要な場合には、休薬開始日と対象薬剤が記載された説明書を作成し交付しています。

休薬対象となる薬剤としては、以下のものがあげられます。

① 出血のリスクがある薬剤
【抗凝固薬、抗血小板薬、血管拡張薬、冠血管拡張薬、脳循環・代謝改善薬など】
いわゆる血液サラサラ系と言われるお薬は手術や処置の種類により、出血を増やしてしまい、術中や術後の経過に悪影響を及ぼす可能性があるため、休薬を考える必要があります。

② 血栓のリスクがある薬剤
【黄体・卵胞ホルモン薬(経口避妊薬)、骨粗鬆症治療薬(SERM)】
低用量経口避妊薬(OC)や月経困難症治療薬に含まれるエストロゲンは、血液凝固機能を亢進させる作用を持っています。手術によっては手術の4週間前から中止する必要があるとされています。薬剤によって添付文書に記載されている休薬期間が異なる場合があります。服用中止、再開の時期に関しては主治医、処方医に確認をお願いします。

③ 傷の治りが遅くなる・出血を生じる可能性がある抗がん剤及び類薬
【抗悪性腫瘍剤】
副作用として傷の治りが遅くなることや出血リスクが挙げられています。他院で治療を受けている方、治療歴・治療予定のある方は主治医への相談をお願いします。

④ 健康食品・サプリメント
健康食品やサプリメントにも抗血栓作用を含んでいるものや、麻酔薬の作用を増強させてしまうものがあるため、手術に悪影響を与えないよう休薬する必要が出てきます。サプリメント類が手術に影響を与える期間については明らかとなっておらず、術前中止期間に関して一定の基準は定められていません。当院では、「健康食品やサプリメントの内服は手術の2~3週間前からの中止」をお願いしています。

これら以外にも糖尿病治療薬など休薬対象となる薬剤がありますので、内服状況を正しく伝えるためにもお薬手帳を活用いただくことが大切です。

お薬手帳は医師、歯科医師、薬剤師が薬歴を知ることにより、重複投与や相互作用を確認して、薬を安全・適正に処方、調剤するために使用するものです。

手術前の休薬薬剤の確認にもお薬手帳は重要となりますので、受診の際には、毎回必ずお薬手帳を持参するようにしましょう。
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