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腸内細菌と食事


栄養管理室長  富永 実希

私たちの腸の中には、約100兆個ともいわれる腸内細菌がいます。腸内細菌はその働きによって「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分類され、次のような役割を担っていることが分かってきました。

・消化器を守る(消化吸収を助け、便秘や下痢を防ぐ)
・生活習慣病を予防する(高血圧、糖尿病、脂質異常症を防ぐ)
・感染症と闘う(免疫の働きを高め、かぜ、インフルエンザ、感染症を予防する)
・アレルギーを抑える(免疫の攻撃と抑制のバランスを調整する)
・骨粗鬆症を予防する(骨を作る骨芽細胞を活性化し、骨形成を促す)
・更年期障害を軽減する(女性ホルモンの代役エクオールを作る)
・がんを予防する(免疫の働きを保ち、消化器を中心としたがんを予防する)
・心の健康を守る(セロトニン、ドーパミンの材料を作る)
・アンチエイジング(炎症や細胞の酸化を抑える)

まだ研究段階のものもありますが、とても多くの働きをしていることが分かります。腸内細菌にしっかり働いてもらうためには、腸内の環境を整えてあげることが重要です。そこで、紹介したいのが「まごわやさしい」です。

ま=豆
ご=ごま
わ=わかめ(海藻類)
や=野菜
さ=魚
し=しいたけ(きのこ類)
い=いも類



これは、理想的な食生活をおくるための食品の語呂合わせで、食品研究家で医学博士の吉村祐之先生が提唱したものですが、腸内環境を整える食事にも当てはまります。最近では、これにヨーグルトと食物繊維を追加することが勧められています。多彩な食品は、多彩な腸内細菌を育てます。さまざまな種類の腸内細菌が助け合いながら働くのがよい腸の状態です。食生活を大きく変えることは難しいですが、不足している食品を摂ることは比較的簡単かと思います。食生活を改善すると、腸内環境は2週間ほどで変わり始めるそうです。「今日は何を食べようかな?」そう思った時は、「まごわやさしい」を取り入れてみてください。
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