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発がんリスクを考慮した肺がん、早期膵がん検診について


放射線診断科部長  島矢 早苗

肺がん検診のうち住民検診では、40歳以上に年1回の胸部X線撮影を行い、さらに50歳以上でかつ重喫煙者に対して喀痰検査が追加されています。他方、低線量CT肺がん検診は従来から任意型検診で限定的に行われてきましたが、X線撮影よりもはるかに高精細で検出力が高いため、重喫煙者に勧められます。今後は住民検診でも普及が進むと考えられます。

膵がんは早期診断が困難で予後が悪いといわれますが、1㎝以下でみつかれば5年生存が80%以上期待できると報告されています。近年手術のできた早期膵がんの多くが超音波検査で発見され、その大半は他の病気で検査中に偶然見つかったものでした。超音波検査は住民健診では行われていませんが、ドックでは糖尿病がある、肉親に膵がん患者がいる、血液検査で膵酵素の異常などリスクの高い方に強くお奨めしています。さらにMRIは多くの撮影法で詳細に検査できること、放射線被ばくがないことなどからその有用性が期待され、任意型検診でも実施されるようになってきています。
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