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いつのまにか骨折を防ぐために


外来看護師 骨粗鬆症マネージャー  吉村 登紀恵

「背中が曲がってきた」「背が縮んだ気がする」「腰が痛い」でも歳のせいかな?と思っていませんか?これらの症状には、骨粗鬆症が隠れている可能性があります。骨粗鬆症は、骨量(骨密度)の減少と骨質の劣化により骨折しやすくなる疾患です。骨粗鬆症が原因で発症する骨折を脆弱性骨折と言います。軽い衝撃や本人が気づかないうちに骨折が起こります。特に骨折しやすいのは椎体(背中や腰の骨)、大腿骨近位部(足の付け根)、橈骨遠位部(手首)です。そして、これらの骨折をした方は再骨折の危険が高くなるので、骨密度や採血検査などを行い骨粗鬆症の治療を開始することが良いとされています。脆弱性骨折がなくても骨密度が低い方もいますので、閉経後の女性は特に注意が必要です。

骨粗鬆症は、それ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、「骨粗鬆症による骨折」から要介護状態になる人は少なくありません。骨折患者の家族の負担も大きくなります。日本は超高齢社会です。平均寿命は延びていますが、健康寿命(心身ともに自立し健康で生活できる期間)は10年ほど短く差があります。介護不要の寿命の延伸つまり健康寿命を延ばすことが生活の質の向上につながります。長い人生を楽しく過ごしていくために、まずは自分の骨の状態を知ることが大切です。

各都道府県の骨粗鬆症検診率は、全国平均で5%、新潟県は4%と低い結果です。骨粗鬆症は他の生活習慣病と同様に初期は自覚症状が現れにくいことや骨折なら治ると考えている方がいることも検診率が上がらない原因になっているようです。骨粗鬆症の検診や予防、治療が十分に行われるようになれば、健康寿命のさらなる延伸も実現できると考えられています。

当院には、骨粗鬆症予防外来があり、電話で予約することができます。骨粗鬆症の予防、治療とその継続をサポートする骨粗鬆症マネージャーが対応しています。骨粗鬆症について聞いてみたい、検査を受けてみたい、治療中の不安など、気軽にご相談ください。

<骨粗鬆症予防外来のご案内>
こんな症状はありませんか?
□最近背中が曲がってきた
□背が縮んだ気がする
□腰が痛い

骨粗鬆症の相談をご希望の方は、平日午後2時から5時まで外来予約を受け付けています。
いつのまにか骨折を予防して、健康寿命を延ばしましょう。

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