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医用3D画像と画像等手術支援認定診療放射線技師


診療放射線技師  益田 幸一

現代医療において診断および治療における3D画像の果たす役割は非常に大きいものとなっています。一般に3D画像を最新の技術と想像する人は多いかもしれません。しかし、3D画像は決して新しい技術ではありません。1895年にレントゲンが発見したX線は、人体の表面からだけでは知りうることのできない内部の情報を画像として得ることを可能としたことで、医用画像技術はもちろん、医療そのものを飛躍的に発展させました。そして、1971年にイギリスEMI社が世界初の頭部X線CTを打ち出したことにより、X線画像技術は平面透過イメージングに加え断層撮影イメージングが加わりました。ここで得られるひとつの断層撮影イメージは二次元画像ですが、複数の断層を合わせることにより三次元の情報を入手することが可能となりました。こうして得られた三次元のデータを用いて3D画像を作成しています。

当院の整形外科領域におけるCT検査ではほぼすべての症例で3D画像を作成しています。内容としては骨や腱が主となっていますが、新たな試みとして腰椎椎間板ヘルニアを対象としたCT画像とMRI画像の合成による手術支援画像の作成を行いました。新しく作成された手術支援画像によって骨の状態、神経走行、ヘルニアの位置が容易に確認できるようになり、より正確な診断・治療が可能となりました。

こうした3D画像を作成する技術向上を目的とした資格が平成30年度から開始されました。この認定資格である画像等手術支援(Intelligent Imaging)認定放射線技師とは、画像診断に関する幅広い知識、および優れた診療放射線技術を有する診療放射線技師を育成することにより、画像診断装置から産出される3次元画像の質の向上と画像等手術支援に関連する支援画像および医療安全の確保、そして標準医療を担保し、国民の健康と福祉に貢献することを目的としています。現在、中央放射線部では7名が認定資格を所有しており、今後も知識向上・スキルアップを目指していきたいと考えています。

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