ろうさいニュース

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内視鏡室におけるリカバリールーム造設
および大腸内視鏡検診開始のお知らせ


消化器内科部長  前 川  智

 当院内視鏡室は中央検査部の一つであり、消化器内科医5名、外科医4名、呼吸器内科医師2名、呼吸器外科医師3名、内視鏡技師3名で内視鏡検査・治療を行っています。
 内視鏡検査室は51.6uで、内視鏡光源装置2台、検査台2台を設置しています。その隣に透視台1台を中央に配置した28.6uの内視鏡検査室がありました。病院開設当時は、この内視鏡検査室で透視下の大腸内視鏡を行ってまいりました。しかし、近年内視鏡技術は向上し、エックス線被爆量を減少させるため、同内視鏡検査室での大腸内視鏡は行わなくなり、物置小屋に近い状況になっていました(写真1)。
 当院の内視鏡件数は開業医の先生方による多数の御紹介などにより、年々増加傾向にあります。例えば大腸内視鏡は、私が5年前当院に赴任した時に比べて、2〜3倍に増加しています。内視鏡後元気に帰宅される患者さんがほとんどですが、時に少し休んで帰られる患者さんもいらっしゃいます。恥ずかしながら、そのような患者さんが休むことのできるリカバリールームが内視鏡室にない状況でした。今後内視鏡件数の更なる増加が予想されるなかで、リカバリールームの造設は不可欠と考えました。そこで、透視台のある内視鏡室の透視台を撤去、不要なロッカー等を整理し、本年7月よりリカバリールームとして使用する方針としました。
 リカバリールームには、ベッドを1台、リクライニングチェアー3台を配置しました(写真2)。内視鏡検査室の隣に、リカバリールームをつくることで、患者さんは気軽に休んで帰ることができます。また、私達医療者も患者さんの状態をよりよく観察できるメリットもあります。物置小屋のような透視台のある内視鏡室は、安心感のあるリカバリールームとして生まれ変わりました。
 また、準備室(前処置室、20.6u)には、本年4月より32型のテレビを設置し、部屋の中央に長椅子を配置しました(写真3)。それにより、患者さんの待ち時間のストレスが軽減され、早くも好評を得ています。
 話は変わりますが、最近では大腸がん検診として便潜血検査が全国的に導入され、がん発見につながっています(当院の検診項目にも含まれています)。しかし、発見されたがんがかなり進行しているのも事実です。がんが大きくなると、便ががんのところを通過する時、こすれて便に血が混ざってきます。それを検出するのが便潜血検査です。したがって便潜血検査は早期がんを発見する目的の検査ではないということです。
 ではどうしたら、早期の段階で大腸がんを発見することができるのでしょうか?実は、大腸がんのほとんどが、はじめは良性のポリープなのです。それが成長して大腸がんになるといわれています。したがって、現在はがんのもとになり得るポリープの段階で除去するのが、大腸がんの予防につながると考えられています。その大腸ポリープの発見に最も有効な検査が、大腸内視鏡検査であり、内視鏡を用いて、開腹手術を行わず、ポリープを切除することができます。
 当院での大腸内視鏡検査は、熟練したスタッフの技術および最新の内視鏡器具を駆使し、挿入時の苦痛軽減に努めています。大腸がんを予防したい方は、是非リカバリールームが造設され、生まれ変わった当院の内視鏡室で「大腸内視鏡検診」をうけてみてはいかがでしょうか(本年7月より開始予定です)。
 最後に、リカバリールーム造設および準備室の充実化に御協力を頂きました院長をはじめ、事務の方々にこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。

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