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脳血管内手術−新潟労災病院で行える新しい治療法

脳神経外科副部長  森田健一

 最近、最先端医療のテレビ報道番組が多く見られます。その中で、カテーテル(血管の中を通る細い管)による脳血管内治療が取り上げられることがありますが、御覧になられたことはありますでしょうか。新潟労災病院では、早くから新潟大学脳神経外科の支援のもと脳血管内手術を行ってきましたが、2006年07月から本格的に脳血管内治療が始動しております。現在脳動脈瘤治療は32例、総治療件数は60例に及ぼうとしています。
脳血管内治療の対象は、脳動脈瘤、頚動脈狭窄、脳血管奇形(硬膜動静脈奇形)、脳腫瘍等になっております。代表的な治療を下記に示します。

★ 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術
  足の付け根の大腿動脈を穿刺し、カテーテルを支持し円滑に動かすシースと呼ばれる管(直径約4-5mm)を留置しガイドカテーテル(直径約2mm)を脳内血管まで通します。次にこの管の中を通して、マイクロカテーテル(直径約1mm)を脳動脈瘤まで導きます。これを通じてプラチナ製の柔らかいコイルを動脈瘤内にいれ瘤を塞栓致します。これにより、動脈瘤破裂によるくも膜下出血を予防します。


★ 頚動脈狭窄に対するステント留置術
  2007年末に保険適応になる予定です。上記と同様にカテーテルを狭窄部まで留置し、バルーンと呼ばれる風船つきのカテーテルで狭窄部を拡張しステントという金具(ナイチノール製)を留置し狭窄部を広げます。これにより脳梗塞の予防を行います。
  更に新潟労災病院では、2007年秋にこの手術を行うための最新式血管撮影装置を導入致します。直達手術、脳血管内手術と両方の手術が行え、高水準の医療に努めております。治療を希望される患者さんには、当院脳神経外科外来にて詳しくご説明致します。また、近隣の先生方、適応の患者さんがいらっしゃいましたら是非御一報頂けましたらと存じます。専門医による24時間体制、上越糸魚川地区唯一の施設として、患者さんにとって最善の治療が行えますよう今後とも精進して参ります。

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