ろうさいニュース

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(ろうさいニュース第3号掲載)

痛みを伴う皮膚疾患
新潟労災病院・皮膚科部長 北川太郎

 皮膚病というと大抵「かゆい」という第一印象がありますが、痛みを伴う皮膚病も少なくありません。皮膚科で扱う痛みを伴う皮膚疾患について頻度の多いものについて説明します。

1.帯状疱疹
 外傷、虫刺されといった心当たりもなく、数日神経痛が続いたあと、痛みを伴った小さな水ぶくれが左右どちらかに片寄って発生したらこれを疑う必要があります。帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスによって引き起こすが、治った後ウイルスは神経節に潜伏感染という形で残ります。体の抵抗力が落ちたりしたときにこのウイルスが再び活性化し、神経に沿って皮膚に水疱をつくるとこれが帯状に見えることから帯状疱疹というのです。お年寄りや、若い方でも病気や過労で抵抗力が落ちたときに多く見られます。多くの場合、水疱は2、3週間もするとかさぶたがついて治りますが、ひどいときは潰瘍になって長引くこともあります。
 いずれにしても遅かれ早かれ皮膚は治りますが、そのあとも神経痛だけ長期間持続する場合があります。これを帯状疱疹後神経痛といって大変やっかいです。帯状疱疹の治療は、いかに帯状疱疹後神経痛を続発させないかに尽きると言っても過言ではありません。そのためにはまず、安静第一です。帯状疱疹にかかったら一ヶ月は無理をしてはいけません。皮膚が治ったからといって痛みが残っている状態で無理をすれば何年も神経痛に悩まされることもあります。とくに50歳以上の方は要注意です。また早めに抗ウイルス剤をのんだり点滴することによって帯状疱疹後神経痛をある程度予防することができます。痛みのひどい場合は入院していただいて抗ウイルス剤の点滴静注を5日間行うこともあります。ただし抗ウイルス剤は帯状疱疹後神経痛になってからでは効き目がありません。皮膚が治った後は入浴で患部をあたためて血行促進するとよいようです。帯状疱疹は水ぼうそうにかかったことがある人には感染しませんが、水ぼうそうにかかっていない人には水ぼうそうとしてうつる可能性がありますので、新鮮な水ぶくれには直接ふれないようにしてください。

2.蜂刺され、海洋生物、毒蛇咬症などの動物性皮膚疾患
 ヒトを刺す蜂はスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチがほとんどを占めます。蜂の毒には活性アミン、プロテアーゼなどいろいろな物質が含まれ、皮膚欠陥や皮膚そのものを破壊し、刺された部分の激しい痛みや腫れが生じます。軽い場合はステロイド(副腎皮質ホルモン)軟膏で治療しますが、刺し口が複数あって全身症状を伴う場合はステロイドの点滴を行います。また、一度蜂に刺されるとハチ毒の蛋白に対する抗体が身体に出来て、次にまた蜂に刺されるとこの抗体がハチ毒と結合して激しいアレルギー反応を起こすことがあり注意が必要です。

 直江津周辺には海水浴場がありマリンレジャーが盛んなので、海洋生物による皮膚疾患もみられます。土用波を過ぎる頃からクラゲに刺される患者さんが多くなります。刺された直後は痛いですが、
しだいにかゆくなってきます。磯では釣り人がオコゼを吊り上げ、釣り針をはずそうとして背びれが刺さり、激しい痛みと腫れで来院されます。ゴンズイという魚も毒がありますが、従来南方の東シナ海以南で生息するとされていました。しかし先日、能生川河口で捕獲されたという新聞記事がありました。見覚えのない魚には不用意に手をふれない方が良さそうです。またウニの一種のガンガゼのとげにも毒があります。とげが迷入している場合もあり、摘出すると症状が軽快します。

 本州で毒ヘビの代表といえばマムシです。ヘビは警戒心の強い動物で自分の方から襲いかかってくることは少ないと言われています。不用意に捕獲を試みたりするときにかまれる方も多いようです。特にマムシでは、マムシ酒をつくるために生きたまましっぽから瓶に入れようとして逆襲される例があります。マムシ抗血清が有効ですができるだけ早く処置する必要があります。

3.せつ、癰(よう)
 毛穴にばい菌が感染して化膿するものです。特に顔に発生したものは面疔と言われて抗生物質のない昔は恐れられていました。不用意に切開すると脳膿瘍を続発することがあったからです。現在ではすぐれた抗生物質があります。早めに治療する事が重要です。

 このほかにも痛みを伴う皮膚疾患はいろいろあります。お気軽にご相談ください。

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